【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

五夜目『扇風機』

この話は、愛知県T市に住むMさんが先日体験した話です。

Mさんはいわゆる「見える人」だ。それは幼い頃から見えていて、Mさんにとってその存在は日常風景とさして変わらないものだった。
現在住んでいるマンションの駐車場にも、ずっと同じ女の人が同じ場所に見えているそうだ。
Mさんは暑がりの寒がりで、梅雨の時期になる前からエアコンと扇風機を使って生活していた。

ある夜の事、寝室のベッドで一人寝ている時に足元に感じた違和感で、意識が少し覚醒した。
さっきから何か、冷たい物がふわふわしている感触がある。子供部屋にいる息子が、イタズラでもしているのだろうかとも思ったが、そんな事をする年齢でもない。
正体が分からないまま、睡魔には勝てず眠りに落ちようとしていた。
そういえば、扇風機を強めにつけているからその風が当たっているのかもしれない。
しんと静まりかえった寝室で、再び夢の世界へ意識が飛びそうになった時、

ぐっ、ずるずるずる…

足を強く掴まれ引っ張られる感触で、Mさんは目が覚めた。急いで部屋の電気を付けたが、侵入者などはいなかったし、掴まれた感触のあった所を確認したが、よくこういった類の話で出てくる手形のような物もなかった。
夢だったのかもしれないと思い始めた頃、部屋が暑い事に気付いた。扇風機がタイマーで切れていたからだった。時計を見ると止まってから既に2~3時間は経過している。
しかし先程までは確かに部屋の中はひんやりしており、足元には何か冷たいものが当たる感触が確かにあったのだ。

よく考えたら、扇風機の動いてる音もしてなかったんですよねと話してくれたMさんは、未だにその正体が分からないでいるそうだ。