百九十五夜目『深夜2時』
これはTさんが北海道I市で体験した話です。
実家で体験した深夜2時頃の出来事です。
一般的な新築の一軒家なのですが、霊感の強い私には、度々気配を察知してしまうことがありました。
その日は金縛りに遭い、あまりの苦しさで私は目を覚ましました。すると布団の中で何やら疼く感覚を覚えた私は、布団の中を覗いてみました。
そこには雪のように白い、まさに死人のそれとも言ってもいいような指が、すっと私の体の上にありました。指の奥は真っ暗な闇が広がり、ただその人差し指だけが浮かんでいて、こちらを指しているような状態でした。
またある深夜には、ベッドのなかでスマホを閉じて、眠りにつこうとすると自分の他には誰もいないはずのベッドルームで、
「寝ましたね」
という女性の声が聞こえてきました。
ハッと目を開けて、周りの様子を伺いましたがその一声だけで何も起こらず、私はあまり気にとめないようにして、その日はそのまま眠ることにしました。
しかし、次の日の晩、深夜2時になったときのことです。いつものように眠りについていたのですが、ふいにひたっと誰かの冷たい手が布団のなかで当たった感触がしました。
「隣に誰が寝ているのか分からないの?」
私が手の感触で目を覚ますと、耳元で昨日の女性の声が聞こえました。
恐ろしくなった私は、部屋の電気を急いで点け、周囲を確認しましたが跡形もなくその女性の気配は消えてなくなりました。
今でも深夜2時になると、たまに不思議な事が起きています。