【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百七十四夜目『インターホン』

これはKさんが京都府K市で体験した話です

大学生の頃の事。

田舎から市内に憧れをもち、一人暮らしを始め3年程経った頃。
大学では友人、後輩もでき不規則な生活ながらも楽しいと感じる生活を送っていた。

ある日の夜、友人後輩含め5人程で、私の家で飲み明かそうとなった。
他愛もない話も底をつき、怖い話でもしようかとなった。
深夜1時頃から始まった怪談話、1時間程過ぎた頃でだろうか。
私の家のインターホンが鳴った。

「うるさくしすぎたかな」と怒られる覚悟でモニターを見たのだがそこには誰もおらず、廊下が映っているだけ。
隣人の方がこっそり押したのかなと思い、玄関のドアを開け確認したがそこにも人の姿すら無し。
単純にその時「こわっ」と感じていたが、もしかして注意だけのインターホンだったのかなと考え、部屋に戻った。

友人たちには
「誰もおらんかったわ、こわー」
と笑いながら伝え、続きを始めようとした時。
ある後輩がふと一言

「もしかして○○さん(私)の死んだツレが来たんじゃないですか?笑」

と。

その瞬間だった。

「ピンポンピンポンピンポン」

インターホンが立て続けに3回鳴り、全員一瞬で静まり返った。
画面を見ても誰も映っておらず、外から逃げるような足音も聞こえない。人の気配すら何も感じない。全員が背筋を凍らせた。

この出来事の数日前に、私の田舎の友人が実際に自ら命を絶つという事があった。ちょうどその事について話していた時に起こった出来事だった為、余計怖かった。

その日はこの出来事以降、怪談話を辞め、全員静まり返った中、朝までただただ起きて過ごすだけの日となった。
後日私は、地元に帰り亡くなった友人のお墓参りに行こうとしたのだが、家族、亡くなった友人の奥さん等に聞いても場所を教えてもらえず、また他の地元の友人全員に聞いても誰も場所を知らず、教えてもらえなかったそうだ。
葬儀自体も家族葬で行われ、式に参列した友人は誰もいなかったとの事。
何故、誰も教えてもらえなかったのかは今でも分かっていない。

ただただ思うのは無くなった友人は寂しかったのかなーと今でも思う。
よく耳にする「霊は寂しいから」「怖い話すると来る」「楽しそうな所に来る」みたいな事、
本当にその通りなのかな、と感じている。

百七十三夜目『お化け屋敷の仕事』

これはKさんが山梨県H市で体験した話です。

私が当時、山梨県H市内にある遊園地に勤めていたときの体験。
同遊園地にはギネス記録にも掲載されたことのあるお化け屋敷があり、私はそこでオバケ役のスタッフとして働いてた。

館内はお客様には分からないように待機スペースがある。各所にスタッフ用の通路やスタンバイポイントが設けられており、その日もいつものように配置について仕事を行っていた。季節は春先くらいだっただろうか。
その日、私が担当していたポジションは長い通路を通りかかったお客様を脅かすというもので、ポイントに差し掛かったところへ勢いよく飛び出して追い掛ける、といった脅かし方をしていた。そのまま走り抜け、通路の先にある隠し通路から元居たポジションまで戻るというものだった

時刻は午後、夕方頃だったと思う。数十組のお客様を脅かし再びポジションで待機していたところ、新たなお客様がやって来た。私がスタンバイしている少し手前のポイントにあるセンサーが反応し、仕掛けの音が鳴り悲鳴が聞こえてきた。どうやらカップルのようで、もう少しで長通路に差し掛かる計算。
タイミングを見計らい、呻き声を上げながら大きな足音を立て追い掛けると反応良く必死に走って逃げ出した。そのまま追いかけ、自分はスタッフ用通路に駆け込んだ。耳をそばだて様子を伺うと、まだセンサーの反応も無く次のお客様までは間があるようだった。少し休めるか、と定位置にまで戻ると長通路に続くドアを20~30cmほど開いたままにしてしまった事に気付いた。

閉めようと思い手を伸ばした瞬間、目の前で勢いよく”バタン!”と激しい音を立てドアが閉まった。

一瞬、何が起こったか解らなかった。もしかして次のお客様が来ていたかと思い、慌ててドアから飛び出しても誰も居なかった。辺りを見回しても誰もおらず、当然他のスタッフのイタズラなどでもないようだった。
結局原因は判らないまま、なんとなく薄ら寒い感覚を覚えたままでその日は一日を終えました。
辞めてから大分経つが、印象深い思い出だ。

百七十二夜目『寮を徘徊する女』

これはCさんが沖縄県I市で体験した話です。

私が高校の時に住んでいた寮は入学当時から幽霊がでると噂になっていた。
開かずの部屋が1つあり、夜中絶対その部屋の前には通らない方がいいと先輩から教えてもらったた。
実際に誰かがその寮で何かを見たというはっきりした話は聞いたことがなかったのだが、学校や、寮に関する開かずの部屋というのはどこにでもあるような噂だと思っていたので、あまり気にしていなかった。

入学して1か月が経ったある日の夜中、隣の部屋の子から、自分の部屋のベランダに誰かが立っている、怖くて動けないので部屋に来てほしいと連絡があった。
不審者?と思い私は急いで自分の部屋から出ようとするとなぜかドアが開かず、ものすごい力を入れてやっと開ける事ができ、隣の友人の部屋に行くと、友人は怖かったと泣いた。
今日は一緒に寝る事にして、私は自分の部屋の電気を消し忘れた事を思い出し自分の部屋に戻ろうと友人の部屋を出ると、廊下の先にある開かずの部屋に向かって立っている女が見えた。
瞬間的に、これは幽霊だ。と思い自分の部屋へ戻らず再度友人の部屋へ引き返した。

「今さ、開かずの部屋の前に黒い服を着て髪の毛が肩ぐらいの長さの女の人が立っていた」

と友人に話すと

「それさ、多分さっきベランダにいた人…」

と泣きながら答えた。

どうやらその幽霊は夜な夜な寮を徘徊しているようで、開かずの部屋が関係しているのかどうかは分からないが、いつ、寮のどこで出くわすか分からないという話を聞いた。

先生にも相談したが、霊的なものは仕方がないので気にしないようにと言われるだけで、どうすることも出来なかった。
それから卒業までにその女とは何度か遭遇したが、大きな実害がなかったのがせめてもの救いだ。

百七十一夜目『電話口の女性』

これはRさんが東京都N区で体験した話です。

20年程前の事。
当時私は1人暮らしをしていたアパートの最寄り駅近くの小さなスナックでアルバイトをしていた。
その日はお店の定休日だったのだが、前日お店に忘れ物をしてしまいお店に取りに行きたいと考えていた。
夜になれば定休日でもマスターがお店にいる時が多々あったので、夜まで待ってお店の入っているビルの階段の下で電話をした。

「プルルルル」と3回程呼び出し音が鳴り、誰かが出る音がした。
電話の後ろでは賑やかな音楽がかかっていて、私は「マスター、お友達呼んで盛り上がってるんだな」と思い

「マスターお疲れ様です。○○ですけど、昨日お店に忘れ物しちゃったんです。今下にいるので取りに行っていいですか?」
と尋ねた。

「…。○×△…」
電話に出たのは女性の方のようで!か細い声で何を言ってるのかさっぱり分からない。
マスターの知り合いの方かな?と思い、

「あ、すいません‼︎私そこのお店のアルバイトで○○といいますが、マスターに変わっていただけますか」

と言ったのだが、その女性は「○×△…」やはり何を言ってるのかさっぱり分からなかった。

「すいません、アルバイトの○○が今からお店に忘れ物を取りに行くとマスターにお伝えください」

と私が言うと電話が切られた。
なんだかなぁと思いながら階段を登ってお店の前に着くと…電気も付いてない…どころか外から南京錠がかかっている状態。
そのビルにはエレベーターもないし、階段も1つしかない。
私は階段の下から電話をしていて、その間誰もそこは通っていないのだ。

すごく嫌な感じがしたので慌ててアパートに帰った。
次の日、アルバイトだったのでマスターに確認した所「昨日は全くお店に来てない」との事だった。

百七十夜目『男女の霊』

これはMさんが大阪府K市で体験した話です。

中学生の頃、昼過ぎに自宅でテレビを見ていたら無性に眠くなり耐えられず寝てしまった。
うっすら目が覚めたとき初めて金縛りという物を体験した。体がギュッと締まって動かなくなり目と指だけは動かせる状況に「あぁこれが金縛りか」と不思議と納得した。

そのまましばらくすると、音も無くリビングのドアが開き、30代くらいの男女が入ってくるのが見えた。ネイビーのスーツを着た男性と細かな花柄のワンピースの女性。顔は見えないのだが二人とも上品な雰囲気を漂わせて、じっと私を見つめていた。
怖さのあまり唯一動く指で毛足の長い絨毯を掴むと、絨毯の毛ではなく掴んだのは髪の毛でスルッと私の指をすり抜けた。その毛はギシギシした繊維で人形の髪の毛だとすぐわかった。人形が動いて髪の毛が私の手からすり抜けたように感じた。
凄く気色が悪い感じがして、とても怖かったのを覚えている。

その時、母が車で帰宅した音が聞こえ金縛りはとけた。それと同時に男女もいなくなった。色々考えてみると、その男女は雛人形だったのではないかと思えてきた。長らく出して飾ることがなかったので出してくれと言うメッセージだったのではないかと。
その年は雛人形を出して飾る事にした。ほっとしたのは人形がみんな可愛い顔をしていたことだ。

百六十九夜目『今日も隣がやかましい』

ぼくが都内の大学に通っていたころの話。田舎から上京して一人暮らしを始めた。ぼくの部屋はおんぼろのワンルームの一階だった。入口から入っていちばん奥が僕の部屋だった。東京は地元とは比べ物にならないくらい家賃が高いからアパートがぼろいのは覚悟していたが、ぼくにはひとつだけ悩みがあった。隣がやかましいのだ。引っ越しのあいさつに行ったときには、だれも出ないというか、何か電気の契約の札が下がっていたのでまだ越してきてなかったのかもしれないが、若いカップルだか夫婦だかが住んでいるらしく、毎晩うるさい。話し声もするし、壁になにかがぶつかるのか、ドンドン鳴るときもある。深夜にはいちゃつく声やらベットのギシギシ音まで筒抜けと来てる。大体の場合には音楽を聴いたりしてがまんしていたのだが、どうしても気になって耐えられないときにはアパートの薄い壁をコンコンと控えめにノックした。まあ、一瞬だけしんとなってから、すぐにまたにぎやかな声がするわけだが。
 ニュースで見た隣人トラブルとかで、注意しに行くと急にキレるひともいるらしいので、怖くてなかなか直接注意しに行く気にもなれない。でも、同じ家賃を払っているのに、どうしてぼくだけが我慢しないとならないのか。その日こそは思い切って、管理会社に連絡してみることにした。
 「お電話ありがとうございます。かもめ不動産、担当の石川でございます」
 受話器からは、中年の女性の声が聞こえてきた。
 「あの、すみません。モリハイツ105号室の吉田っていう者ですけど」
 「はい、吉田さま。お世話になっております。本日はいかがなさいましたか」
 「あのう、ちょっと言いにくいんですけど。近所の人がうるさくて」
 「はい、ご不便おかけしております。どのお部屋ですかね。上の階ですか」
 「いや、隣の部屋なんですけど…」
 「……」
 いや、何だよ。黙るなよ。怖いじゃないか。何かあるのか。
 「それ、本当ですか」
 「本当ですかって、こっちは実際やかましくて毎晩迷惑しているんですよ!」
 思わずぼくは声を荒げてしまった。
 「あの、お客さま、実はその、と、隣のお部屋にはどなたも入居されていないんですけれども…音は本当にお隣の部屋からでしたでしょうか…」
 「え……」
 そんなはずはない。現にいまだって派手に音が聞こえているし…。
 「いや、そんなこと言ってもいま隣から聞こえてますよ」
 「えっと、あの、こちらとしても住んでいないものはどうしようもございませんので…。本日の営業時間もまもなく終わってしまいますので、また明日ご対応させてくださいませんでしょうか…」
 「え…まあ、はい、わかりました、けど、もう一度お名前よろしいですか」
 「わたくし、い・し・か・わと申しますので…それでは、ごめんくださいませ。明日必ずこちらから電話をいたしますので」
 実は隣が住んでなかったなんて、ありきたりな怪談話みたいなことがあるはずもないだろうけれども、一応、ドアの外に出て、隣の部屋に確かに灯りが点いていることも確認した。
 「いるだろ、絶対…」

 あくる日、いくら待っても管理会社から電話はない。管理会社には、仕方なくこちらから電話をかけることにした。昨日の担当者は石川さんとか言ったな。
 「お電話ありがとうございますー。かもめ不動産、担当の矢口と申しますー」
 「あ、もしもし。昨日の夜にお電話した、モリハイツ105号室の吉田なんですけど」
 「はいー」
 「あの、昨日電話に出てくれた石川さんという方はいらっしゃいますか」
 「はい?」
 「いや、石川さんです。そちらにいらっしゃいますよね?」
 「……。少々お待ちくださいませー」
 何なんだ。電話口の間延びしたおばさんの声、どうしていま一瞬間があったんだろうか。『エリーゼのために』が流れるなか、待つこと1分ほど。
 「もしもし。お待たせいたしております。責任者の鈴木と申しますけれども。石川がなにか失礼をいたしましたでしょうか…」
 「昨日、隣の部屋がうるさいって相談しようとしたら、昨日『営業時間が終わる。明日対応する』って言って電話切れちゃったんですよ」
「ええ」
「困ってるんで、何とかしてもらえませんか」
 「ああ、それは大変ご迷惑をおかけしております。本日必ずお隣の入居者さまには私どもから注意をさせていただきます。それで…」
 「それで?」
 「吉田さまからお電話いただいたのは、昨日でおまちがいございませんでしょうか」
 「はい。確かに昨日電話して、石川さんって女性の方が出ましたけど」
 「お客さま、実はその…、昨日は弊社の定休日でございまして…」
 「え…?休日出社の社員さんかだれかだったのでは…?」
 「いえ、昨日はあいにくだれも出勤しておりませんで…その、電話に出た者は石川、とそう名乗ったのですね?」
 「え?…ええ、そうだと思いますが」
 「石川という者は…、その…、既に弊社にはおりません」

 結局のところ、その件はそれで済んだのだが、実は後日になってから気味の悪いことがあった。契約更新の話でかもめ不動産に出向いたときに、担当者だという黒川という年配の女性社員が対応してくれたのだが、そのときに聞いた話。
 「お客さん、石川さんから電話が来たんですってね」
 「え…?ああ…、確かに、だれも会社にいない日に石川って方が電話に出てくれたことが何週間か前にありましたね」
 「ほんとに来たんですね?」
 「ええ…、なにかあるんですか」
 「実はね、その石川さんってひとねえ、モリハイツの前の担当だったんですけどね、亡くなってるんですよね。営業車に乗ってる外回りしてるときに事故っちゃいましてねえ。急な事故だったし、仕事熱心なひとだったから、自分が死んじゃったってわからないで、まだがんばって働いてるのかもしれないですねえ…。あ、いやだ、ごめんなさい。こんな話したら怖いよねえ。ふふふ」

 半年もしないうちに、ぼくは30分離れた駅のところに引っ越した。

百六十八夜目『ライダー』

これはHさんが兵庫県N市で体験した話です。

当時私が兵庫県で仕事をしていた時のこと。
N市に住んでおり、仕事も夜22時くらいまで働き、帰宅するのが23時半を過ぎてしまう事もよくあり、帰るのが遅い仕事をしていた。

休みの日にバイクで走るのが趣味だった私は毎週走りに行くのが楽しみだった。ある日に仕事が終わった後、休みの前日というのもあり、とある山を越えて遠出をしようとバイクを走らせた。
家を出発したのが夜中1時すぎ。ガソリンも入れ、走り出しは順調だった。

とある山に入った時。夜中というのもあり、怖さと寒さが同時に襲ってきた。怖いと思いながらも走っていると少し不安な気持ちになってきた。5分ほど走っていると、暗い峠の途中で大きな岩が目の前に現れた。
一旦バイクを止め岩を眺めていると、その直後後ろからバイクを運転してくる人がいた。どんな人かと通りすぎるバイクを見ると、そのライダーの首がなかった。

一瞬見えただけの光景で見間違えかもしれない、そう思ったがこのまま走り続けるのは危険だと察し、その日は家に帰る事にした。
次の日、テレビを見ていると自分が見た首のないライダーと同じバイクの人が、その山で事故を起こしたと報道があった。スピードの出し過ぎで事故を起こし、ヘルメットが離れた所に飛んでいってしまうくらい派手な事故だったようだ。

あのまま走り続けていたらと思うと、ゾッとする。