【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百七十三夜目『お化け屋敷の仕事』

これはKさんが山梨県H市で体験した話です。

私が当時、山梨県H市内にある遊園地に勤めていたときの体験。
同遊園地にはギネス記録にも掲載されたことのあるお化け屋敷があり、私はそこでオバケ役のスタッフとして働いてた。

館内はお客様には分からないように待機スペースがある。各所にスタッフ用の通路やスタンバイポイントが設けられており、その日もいつものように配置について仕事を行っていた。季節は春先くらいだっただろうか。
その日、私が担当していたポジションは長い通路を通りかかったお客様を脅かすというもので、ポイントに差し掛かったところへ勢いよく飛び出して追い掛ける、といった脅かし方をしていた。そのまま走り抜け、通路の先にある隠し通路から元居たポジションまで戻るというものだった

時刻は午後、夕方頃だったと思う。数十組のお客様を脅かし再びポジションで待機していたところ、新たなお客様がやって来た。私がスタンバイしている少し手前のポイントにあるセンサーが反応し、仕掛けの音が鳴り悲鳴が聞こえてきた。どうやらカップルのようで、もう少しで長通路に差し掛かる計算。
タイミングを見計らい、呻き声を上げながら大きな足音を立て追い掛けると反応良く必死に走って逃げ出した。そのまま追いかけ、自分はスタッフ用通路に駆け込んだ。耳をそばだて様子を伺うと、まだセンサーの反応も無く次のお客様までは間があるようだった。少し休めるか、と定位置にまで戻ると長通路に続くドアを20~30cmほど開いたままにしてしまった事に気付いた。

閉めようと思い手を伸ばした瞬間、目の前で勢いよく”バタン!”と激しい音を立てドアが閉まった。

一瞬、何が起こったか解らなかった。もしかして次のお客様が来ていたかと思い、慌ててドアから飛び出しても誰も居なかった。辺りを見回しても誰もおらず、当然他のスタッフのイタズラなどでもないようだった。
結局原因は判らないまま、なんとなく薄ら寒い感覚を覚えたままでその日は一日を終えました。
辞めてから大分経つが、印象深い思い出だ。