【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百七十夜目『男女の霊』

これはMさんが大阪府K市で体験した話です。

中学生の頃、昼過ぎに自宅でテレビを見ていたら無性に眠くなり耐えられず寝てしまった。
うっすら目が覚めたとき初めて金縛りという物を体験した。体がギュッと締まって動かなくなり目と指だけは動かせる状況に「あぁこれが金縛りか」と不思議と納得した。

そのまましばらくすると、音も無くリビングのドアが開き、30代くらいの男女が入ってくるのが見えた。ネイビーのスーツを着た男性と細かな花柄のワンピースの女性。顔は見えないのだが二人とも上品な雰囲気を漂わせて、じっと私を見つめていた。
怖さのあまり唯一動く指で毛足の長い絨毯を掴むと、絨毯の毛ではなく掴んだのは髪の毛でスルッと私の指をすり抜けた。その毛はギシギシした繊維で人形の髪の毛だとすぐわかった。人形が動いて髪の毛が私の手からすり抜けたように感じた。
凄く気色が悪い感じがして、とても怖かったのを覚えている。

その時、母が車で帰宅した音が聞こえ金縛りはとけた。それと同時に男女もいなくなった。色々考えてみると、その男女は雛人形だったのではないかと思えてきた。長らく出して飾ることがなかったので出してくれと言うメッセージだったのではないかと。
その年は雛人形を出して飾る事にした。ほっとしたのは人形がみんな可愛い顔をしていたことだ。