百六十一夜目『お風呂場でのだるまさんが転んだ』
これはTさんが広島県Y郡で体験した話です。
これは私が学生の時に体験した事だ。
とある夏の日の夕方に、姉と怖い話をしていた。
その中で姉が実際に体験した話を私もやってみることになった。
それはお風呂の中でだるまさんが転んだと心の中で唱えた後、鏡を見てしまうと鏡の中に引きずり込まれて2度と出られなくなるというもの。
姉がそれをやった際、鏡ではなく窓の方に何かを感じて振り向くと黒い人影がベタッと張り付いていたというのだ。
午後5時半にお風呂に入り、だるまさんが転んだと心の中で唱えたあと誰かに見られてる感じがして窓を見ると黒い人影が張り付いていて、じっとこちらを見ているようだった。
まだ日が差していたので、もし仮にお風呂場の窓の外に誰か居たのなら人の肌も肌色に見えるはずなのに黒一色。それが生きた人ではない気がしてきて凄く怖くなった私は急いで上がって髪乾かした後、外に出てお風呂の窓を見てたが人の立ち入った様子はなかった。
家の者に
「あの時間あの場所に誰か居たのか」
と聞くと祖母も母も父も姉たちもあの場所に行ってないと言っていた。
それ以来、軽はずみにやってみようっていうのは、なるべく控えるようにしている。