【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百二十八夜目『後部座席の女』

これはMさんが京都府M市で体験した話です。

主人と結婚し、愛知から京都に越してきたころ、引っ越しを機に新車を買うことになった。
最初は夫婦でその車に乗ってドライブデートを楽しんでいたが、私が妊娠しつわりで酔いやすくなったことから、主人がドライブしたい日は家で大人しく留守番をしていることになった。

某漫画の影響からか山道を走ってみたいと言いだし、隣の市にある山道までドライブに出かけることが多くなった。
崖も多く、人気もないので事故にあったら気付いてくれる人もいないだろうし、危ないのでやめてほしいと伝えたが、
危険な道は絶対に走らないと言われ、渋々山道ドライブを承諾せざるを得なかった。

あの日も、主人は夕方からドライブに出かけ暗くなった19時過ぎに家に帰ってきた。
夕食をつまみながら
「今日非常識な人に出会ったんだよ」
と主人が話し出した。
何でも山の中を若い女の人が1人で歩いていたとか。公衆電話付近を歩いていたらしいのだが、近付いて窓を開け声をかけてみると公衆電話が壊れていて困っていたとのこと。
可哀想に思った主人はその女性を後部座席に案内し、下ったところにあるコンビニまで乗せていってあげたそうだ。
駐車場に停車しコンビニの中まで一緒についてきたところで振り返ってみると女性は居なくなっており、「お礼も言わないなんて!」と憤っていた。

私はそんな変な女の人をなぜ車に乗せたのかと主人に対して怒った。
夫婦喧嘩に発展しそうなところで、家のインターホンが鳴った。出てみるとお隣さんが立っていた。
ウォーキングから帰ってきたばかりでガレージのほうにたまたま目を向けたら、後部座席に女の人が乗っていたけど大丈夫なの?
というような内容だった。

慌てて車に向かうと中には誰も乗っていなかった。
見間違いかもと謝るお隣さんだったが、気持ち悪くて後日車ごとお祓いに行ってもらった。
あのとき主人が乗せた女の人は、本当に生きている女の人だったのだろうか。
早く車のローンを払い終わって、新しい車を買えますようにと今は願うばかりだ。