【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

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百六夜目『ごめんな』

これはAさんの友人が大阪府で体験した話です。

Aさんがが旧Iトンネルに四人で肝試しをしに行った時の事。
トンネルに到着したはいいものの、中に入ることが出来ずに周辺をうろうろしているうちに四人で来たうちの一人が居なくなっていたことに気がついた。
居なくなった友人Bさんは霊感が強いらしく常に数珠のようなものを身につけており、それが無いと身に危険が及ぶことが起きると聞いていた。
そんなこともあり、今回の肝試しもあまり乗り気ではなかったのでビビって先に車に戻ったのだろうと思いたが、みんなで車まで戻ると車内にもBさんの姿はなかった。Aさんたちは怖くなりながらも置いていくわけにはいかないので周辺を探すことになった。

旧Iトンネルの横には神社があり、そこを探してみようと向かうと階段の上の方にBさんの足が見えた。AさんたちはホッとしてBさんに声をかけるも返事はなく、異変を感じたので近づいてみると、Bさんは涙を流していた。
話を聞くと途中で気持ち悪くなったので黙って車に帰ろうとすると急に体が自分の意思とは別に動き出し、意識はあるのに勝手に神社の階段を登っていたというのだ。

怖くなったAさんたちは車に乗り込みトンネルを後にすることにした。その帰りの車内でAさんがぼーっと外を見ていると前方に髪の長い女の後ろ姿が見えた。こんな時間にいるのは人ではないと思ったAさんは気づかないふりをしていたが、車が女の真横を通る時に横目で見てみると、ずっと後ろ姿だと思っていた髪の間からこっちを睨みつける目が見えたそうだ。
前髪が異常に長いだけでずっとこちらを向いていたということになる。

トンネルでの体験の後に、さらに嫌なものを見てしまったと思ったAさん、見えた時と同時に隣に座っていたBさんが

「ごめんな」

と言った風に聞こえた。なんのことか分からずもそれどころではなかったAさんはその日は何も聞かず解散し、後日Bさんに会ったときにあのときなぜ急に謝ったのか聞いたそうだ。するとBさんは、

「あの帰り道、女見たやろ?」

と言ってた。どうやらあの女の人はAさんだけではなくBさんにも見えていた。
Aさんは見たことを伝えるとBさんはいつも付けていた数珠の話を始めた。あるときから女が見えるようになり、街中や夢にも出てくるので詳しい人に対処法を聞いたところ数珠をつけていれば完全にでは無いが抑えることが出来たようだ。

BさんはAさんに女が見えている事に気づき、自分が巻き込んでしまったと思い「ごめんな」と言ったとの事。
理由が分かりスッキリしたAさんは

「気にすんな」

と言いながら握手をしようと手を差し出したが、そのときのBさんの腕には数珠がついていなかったそうだ。