【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百七夜目『風の音』

これはSさんが兵庫県H市で体験した話です。

私が住むところは都心に近い閑静な住宅街にある。
私が幼稚園に入った頃から、祖母の家に行くことが増えていった。
車で片道1時間程度、祖母の家の周りは田んぼばかりで家も少ない。
私たちが住んでいるところと同じ市とは思えないような田舎だった。


祖母は身体が不自由なため、嫁である母が祖母の手伝いに行っていたとか。
当時の私はよく分かっておらず1人で遊んでいた。
そんな祖母は必ず夕方には私たちに帰るよう促した。
ある日、20時近くまでいた時に祖母から、

「こんな遅い時間まで電気をつけていたら近所に何事かと思われる」

と言われて追い出された。
しかし時刻は20時で、電気をつけていて人から何か言われる時間ではなかった。

「なんであの時あんなこと言われたんだろう」

それから夕方には帰るようにしていた私が、高校生になってもその疑問が晴れる事はなかった。


ある夜、祖母が亡くなったと知らせを受けて駆け付けた。
20時を過ぎていたのだが、買い物に行くからと祖母の家での留守を頼まれた。
遺体となった祖母の横でスマホをいじって過ごすだけ。
「ごー」「ごー」と家の外では風のような音が聞こえだした。

「台風?嫌だな帰れないじゃん」

と呟き、外の様子を覗いた時に唖然とした。外は無風状態。風などまったく吹いていない
しかし、また窓を閉めたら台風のような轟音。
結局22時頃には家路に着いたが、それまでの間ずっと轟音は鳴り響いていた。

20時になったら帰れって、なにか他の意味があったのか
祖母が亡くなってしまい確かめる事は出来ないが、そう思えて仕方ない。