Sさんが新潟県Ｕ市で体験した話を二つ。
私の弟が40年くらい前、小4の頃に体験した話。
通っていた小学校は、墓地を移設して建てられたのですが、子供心にはそれだけでも十分怖かったものだ。
8月のある日、自分が住む地域で肝試しをした。
小学校の校舎周りを1周するコースで、何箇所かにお化け役の子（5、6年生)がいて驚かす、というよくあるもの。
私はその時5年生だったので、驚かす役だったのだが、あちこちで聞こえる悲鳴に「うまくいってる」と思っていた。
無事終わり、家に帰る途中、弟がこんなことを言った。
「図画工作室前の壁に、赤い光が見えた」
と。
「火災報知器のランプじゃないの」
と言うと、
「いや、あんなところにはない」
弟がウソを言ってると思えない。
そこで、翌日プール開放で泳いだあと、赤い光が見えた、という場所に一緒について行くことにした。
「ここだよ」
弟が指さした場所。確かにそこには火災報知器はなく、ただの白い壁があるだけ。
他の小学校との統合による移設で、学校の校舎としては使用していないが、建物は体育館とともに残っている。赤い光を見たのは弟だけだったようだが、光の正体が何だったのか、謎のままである。
私が小学校6年生の頃に体験した話。
校舎は、墓地を移転させて建てたので、昼でも怖い感じがしないでもなかった。
体育館の天井にできた雨漏りのシミが、子供を抱いている髪の長い女性に見える、というのも、偶然とはいえ怖いものだった。
ある日のこと、１つ下の弟がこんなことを言った。
「課外運動の様子が映ってる写真に、給食当番の白衣を着てる子がいる」
と。
4年生から6年生は、放課後に課外運動があり、春から秋にかけては陸上競技、冬はクロスカントリースキーをしていた。
弟の言う写真とは、課外運動のメニューの中で、直線ダッシュをしている場面をパネル写真にして掲示してあるものだった。
その写真には、校舎も一部写っているのまが、「給食当番の白衣を着てる子」は窓辺にポツンと1人写っていた。しかもそこは2年生の教室。
放課後のことで、教室に人がいるはずもなく、ましてや給食当番の白衣を着ている子なんて。
カーテンも白かったので、見え方でそう見えてしまうのか？とも思ったが、明らかに学校の体操着の上から白衣を着ている姿。
他の小学校徒の統合と移転で、現在は学校としては使用していないが、パネルの行方は分からない。
