これは大阪府H市に住んでいるSさんの家族が体験した話です。
父が亡くなった15年前の事。父が脳梗塞で倒れ、入退院を繰り返した後、肺炎で亡くなった時の話だ。
父のお葬式が終わり、初七日までは実家にいたSさんも海外の家に帰ることとなった。
それから2週間たったある日、家で一人になった母を心配して電話をしたところ、母は明るい声でとても忙しいのだという。
父が亡くなって、仕事もしてない母がなぜ忙しいのか、声も明るくとても不思議に思い聞いたところ、
「お父さんが、いつも話しかけてくるから」
と思いがけない答えが返ってきた。
にわかには信じられない話だが、幽霊になった父が母についてまわり、
「お酒のお供えをしてくれ」
「酒は俺がよく飲んでたあの酒だ」
と頼むのだという。母は朝から酒屋さんに買いに行っただけでなく、注いだ酒を15分ごとに入れ替えたりしていたそうだ。
その上、入れ物の指定や、葉っぱを浮かべて欲しいなどの注文もあり、母はとてもめんどくさがっていた。
Sさんは父が亡くなって一人でいる母を心配して電話したのだと伝えると、
「横に父がうるさく注文してくるし、悲しいとか寂しいとか、一切ない無いから心配するな」
と。なんとも不思議な話だが、もともと霊感のある母なだけにこんな事もあるのだなと思った。