【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百四十八夜目『人魂』

これはTさんが茨城県H市で体験した話です。

ひとだまを見たことがあるだろうか。私は今までに2回目撃している。
1回目は子供の頃、私が住んでいた団地のベランダから外を見ていた時。
私の部屋は4階で、夏の夕暮れで涼しい風が気持ち良いまだ明るい夏の午後6時頃、ベランダから見た向かいの空き地に何かふらふらと浮かんでいた。
よく目を凝らしてみると白っぽい綿のようなものが、上下左右に動く度に尾を引いているように見える。
不思議に思った私は母に声をかけて一緒に見た。母は気味が悪いと言って怖がっていたが、翌日その空き地の向こうのお宅のおじいさんがなくなった。

2回目は高校生の時、クラスの担任の先生が末期の癌で、診断されてから1ヶ月で亡くなった時のこと。
クラスの全員で先生の告別式に出席した日の夜、一軒家に引っ越した私は自宅2階の自室で本を読んでいたところ、窓の外に何かチラチラと赤いものが見えたので窓に近寄って確認すると、その瞬間窓の外にフワーッと火の粉が舞い上がったのが見えた。
私は驚いて「火事だー!」と叫びながら階下におり、父と母に外で何かが燃えてると伝え、外に飛び出した。火の粉が出ていたと思われる場所は一回のお勝手口あたりだったのだが、そこを見た時には全く何もなかった。火の粉どころか種火すらなく、父も母もポカーンとしていたが、まぁ何もなかったからよかった、と言って家の中に戻った。

それからその日の夜、ベッドで寝ていると瞼の裏が急に明るくなった気がして目が覚めた。そこには先ほど見た火の粉が部屋の隅で燃えていました。慌てて飛び起きたのだが、よく見てみるとそれは炎ではなくキラキラした赤いものが舞っているだけだった。
芯の部分となる所は赤い塊が光っていた。この時すごく冷静になって、あぁ、これは担任の先生の魂なのかも、と思った。

その後すぐその赤い火の玉のようなものは薄くなり消えてしまった。
後から分かったのだが担任の先生は生徒の中で特に私のことを気にかけてくださっていて、受験を控えていたことでとても心配していたということを奥様から聞かされた。
受験も無事終わり合格を貰った報告に、母と一緒に担任の先生宅にお参りに伺った。きっと先生が守っていてくれたお陰だと思う。