【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

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四十五夜目『ホームステイの前に』

これはSさんが新潟県で体験した話です。

寝ぼけていたのか、それとも本当にあったことなのか、今でも不思議に思う出来事がある。
小学校4年生の夏休み、北海道へホームステイに行くことに。
一緒に行くのは課外クラブで一緒の同級生や上級生の数十人。
フェリーで向かっていたが、個室ではなく大部屋で皆一緒に雑魚寝だった。
夜遅くまでみんなと騒いだのがすごく楽しかったのを覚えている。

ある上級生の男の子が、突然怖い話を始めた。
Sさん含む女の子グループは、

「やめてよ〜!」

なんて言いながらも興味津々で聞いていた。
男の子がどんな話をしたのかまでは覚えていないのだが、すごくその話の内容にゾッとした感覚だけは忘れられない。

夜も0時を過ぎたころ、急激に眠気がきたSさんはまだ話している皆の声を聞きながら寝てしまったそうだ
夢と現実が混ざったようなぼんやりとした感じ。

ふと誰かの声で目が覚めなにげなく目の前を見ると、Sさんが居眠りしていた場所は部屋の端っこで、目の前には壁しかないはずだったが目に飛び込んできたのは、着物姿の女の子。
髪の毛は肩までのおかっぱ頭。
赤色にツタの模様がある着物を着ており、Sさんよりも歳が上のようで、中学生くらいの歳。
首をだらんとし、うつむいていて顔は見えなかった。
心霊体験なんてしたことがなかったのでパニックになり

「女の子がいる!!」

と叫ぶと、周りの子達は「どこ?どこ?」と誰にも見えない様子だった。
Sさんはますます怖くなり毛布を被って、なぜか「ごめんなさいごめんなさい」と呟いたそうだ。

しばらくして布団からそっと顔を出すと、その女の子と全く同じ着物を着た日本人形がその場に立っていた。
怖すぎて声も出ずSさんはそのまま布団を被って寝てしまったそうだが、翌日朝起きた頃には女の子も人形もいなかった。

誰に聞いても、寝ぼけてたんだよ、と言われますがあんなに鮮明に覚えているのに夢なのでしょうか?
20年以上経っても不思議でたまりませんとSさんは話した。