【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

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三十夜目『プッシュ音』

これはTさんが神奈川県Y市で体験した話です。

もう25年くらい前の事、今は電話と言えばスマートフォンを中心とした光回線だが、昔はアナログ回線でプッシュ回線と呼ばれるものがあった
プッシュフォンとは形状的には今の固定電話や公衆電話などのようにダイヤルをプッシュするものなのだが、プッシュ回線では電話番号の数字のダイヤルを押した後、こちらでは「ピポパポパ」という電子音が聞こえる。
Tさんの家ではもともとは固定電話が1台しかなかったが、Tさんが小学生に上がったころに自分の部屋をもらって、部屋に電話機もつけてもらったそうだ。
プッシュ回線の特性上なのか、もともとあった固定電話で電話をかけると、Tさんの部屋の電話も「ピポパポパ」とプッシュフォンが聞こえる仕様だった。

それは中学受験に向けて深夜に勉強していた時のこと。

ピポパポパ

部屋に置いた電話機から発信音が聞こえた。時刻は深夜をとうに過ぎており、両親が電話をかけたわけでもなかった。
この体験は1度きりで、特にその直後に不幸があったわけでもない、電話機の故障も無く普通に使えたそうだ。

しかし両親も気味悪がって、Tさんの部屋の電話は処分される事になった。後年調べたところ、「ピポパポパ」という電子音はプッシュ信号を作り出している音で、あの日あの時、間違いなく誰かが我が家のプッシュ信号を押して、プッシュ信号を作りがしていたという事になる。
誰が、誰に何を伝えたかったのか、もちろん今もわかりませんが、今までで一番怖かった体験ですとTさんは話した。