【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

三十一夜目『遺骨』

これはHさんが千葉県K市で体験した話です。

Hさんの実家は墓石屋を営んでいる。
元々神奈川県に住んでいて、仕事の都合で千葉に引っ越してきた。
ある日墓を掘り出した時に人間の頭蓋骨が出てきたそうだ。
そういうのは度々あり、通常はすぐに遺骨を遺族に返すのだが、遺族との都合が合わずに一度こちらで預かる事となった。綺麗な箱に入れたとはいえ、社用車にそのまま放置するのも気が引けて、会社兼自宅に持ち帰る事にした。

遺骨を助手席に乗せて家まで帰ってきて、車を停めようとしている時、車の後ろに誰かが立っているのがミラーで確認出来た。自分の家の駐車場だった事もあり、見知らぬ人間が立ち入っていたので、注意するために一度車を降りた。

「すみません、ここ自宅の駐車スペースなので勝手に入らないで…」

さっきまで居たはずの人影はなかった。単なる見間違えだったのかもしれない。Hさんはそれほど気にしなかった。

その日の夜中に自分の部屋で寝ていた時、部屋のドアが開いて何かが入ってきたのが分かった。
当時猫を3匹飼っていたので、猫だと思い「おいでおいでー」と話しかけて居たら、ベッドの下に入って来たのが気配で分かった。

ドンドンドンドンドンッ

その瞬間Hさんの体が浮くくらい、ベッドの裏側をものすごい力で叩かれた。恐怖で体を動かすことが出来なかった。
恐る恐る目だけで周りを見渡していたら部屋の入り口にずぶ濡れの女が立っていた。
「あれは絶対良くないものだ」と直感で悟ったがどうする事も出来ず、ゆっくり近付いてくる女がベッドの前で止まった。
Hさんは目を合わせたらダメだと思って目を閉じていたが、そのまま気を失ったのか、それともそのまま眠ってしまったのか、気付けば朝日が差し込んでいた。

恐る恐る体を起こすと、部屋の入口からベッドにかけて水浸しになっており、Hさんは遺骨を届けたあとすぐにお祓いを受け、それからは何も起きていないという。