【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

二十九夜目『おむかえ』

これはKさんが埼玉県K市で体験した不思議な話です。

Kさんの父は1995年に亡くなっていて、病気で何回も入退院を繰り返していた。Kさんは20代の頃から霊感的なものがあり特に親族が亡くなる日が何日か前にわかってしまうという、特異な体質だった。
血筋が濃い繋がりほどいつなのかまではっきりとわかるといい、それは夢の中でお告げのようなものがあるそうだ。
Kさんの父が亡くなる日も日にちと曜日まで夢の中でお告げがあり、カレンダーで見るとこの日しか当てはまらないという日が1日だけあったので、内心その日が近づいてくるのが怖かったそうだ。
当時Kさんには幼い子どもが二人いたので夫が夕飯を作れるようなものを買い、事前に用意しておいた。Kさんの父は余命宣告を受けていることもなく、亡くなる前日も容態が悪化するような事も無かった。
Kさんは明日が父が亡くなる日だとわかっていたので、個室に入院していた父の病室に母と前日に泊まることにした。
母は父が元気だったのでKさんが泊まることを不思議がっていた。

当日も父は普段どおりに何も変化はなかった。

ザワザワ

夜中の2時頃に誰もいるはずのない廊下から、まるで昼間のスクランブル交差点にいるかのような雑踏の声がしてきて段々と大きく聞こえてきた。
そしてその声がピタッと父の病室の前で止まったのが分かった。ふと父を見ると右手をまるで誰かに引っ張られているかのように上へとあげていたそうだ。
するといきなり医師と看護婦さんがバタバタと入ってきて父の体につけているモニターを見ながら心臓マッサージを始めた。母は何が起きたのかと驚いている中、Kさん達は廊下に出されてしまった。
数分後、父は息を引き取ったと医師から告げられた。

あのザワザワとした雑踏のような声は亡くなった人たちで父を迎えに来たのだと思いました。そして父の手を引っ張り連れて行ったのだと、Kさんは話した。
Kさんの父が入院するときは、なぜかいつも天候が悪く冬は必ず雪の日。亡くなったのが3月の終わり。その日も前日からの雨が父が亡くなると同時に雪になったそうだ。