【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百五十八夜目『壁から伸びる足』

これはEさんが宮城県M市で体験した話です。

両親が離婚し、母・私・弟の三人で越してきた家では、度々不思議な事が起こったその中から体験談を一つ。

当時私は小学5年生、弟は幼稚園の年長、母はフルタイムで働いていた。
16時頃、学校が終わった私が一番に帰宅。
弟は母が仕事帰りに迎えに行き、二人は18時ごろに一緒に帰宅するルーティーンだった。

ある日、学校から帰った私が台所で洗い物をしていると、背後からただならぬ気配と視線を感じ、手にスポンジを持ったまま硬直してしまった。
”絶対に後ろを見てはいけない”
幼いながらにそう確実に感じたのだ。
本当に30分ぐらい直立不動状態だったと思う。
とにかく早くその気配が消えてくれることを祈っていたが、私は異様な疲労感に耐え切れなくなり、とうとう後ろを振り返った。

するとそこには、風になびく白いスカートが見えた。胴体から上は完全に壁の中に消えていて、スカートだけがひらひらと揺れているのが見えた。
その何も無い壁からスカートと足が伸びている。
ただそれだけのことなのに、とても怖かった。

私は目をぎゅっと瞑り、ありったけの勇気を振り絞って、”その人”の横を通りすぎる形でテレビを付けた。その流れで家中の電気も付けて回り、また背を向けて台所に立った。
しばらくすると母と弟が帰宅し、やっと安堵できた。母に事の経緯を話していたところ、母が
「ここに足跡がある」と、
先ほど”その人”いたところを指した。
そこは畳が5ミリほど足跡型に凹んでいた。

その足跡は徐々に消えてゆき、23年の月日が経ち、”その人”の事も忘れていたが、最近なんとなく思い出した。何もなければ良いのだが。