【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百五十七夜目『子供にだけ見える子』

これはMさんが埼玉県S市で体験した話です。

子どもは大人には見えないものが見えると言われていふが、うちのもうすぐ4歳になる息子も、何か見えているようなのだ。
もちろんただの勘違いだったり、子どもの創造の産物の可能性もあるのだが。

息子がまだ1歳になる前、家の中で壁を見つめながら、急に手を振り始めたことがあった。
窓から差し込んだ壁に反射した光とか、壁の汚れとかに手を振っているのかな、とその時はあまり気にしなかった。

少し大きくなって、2歳手前くらいのおしゃべりも上手になってきたころ、外遊びから家に帰ってきたとき。
リビングの隣にある薄暗い寝室をのぞき込んで、急に息子が言った。
「だれかいるの?」
そろそろ暗闇が怖いという感情が出てきただけだろうと思い、誰もいないよーと言って私は息子を呼び戻したこともあった。

近所に子育て支援センターがあり、よく息子を遊びに連れて行っていた。
2歳半くらいの頃、支援センターから家までの帰り道、息子が
「今日はお友達がいて楽しかったね」
と言うのだ。
その日、息子以外にはまだハイハイの赤ちゃんしかいなかったので、その赤ちゃんのことを言っているだと思い、
「そうだね、赤ちゃん可愛かったね」
と答えると、
「赤ちゃんじゃないの。お友達いたでしょ。アンパンマンのお洋服着た子」
赤ちゃんはアンパンマンの服は着ていなかったのだ。

これがつい先日のこと。いつものように支援センターに行き、息子は室内用の滑り台で遊んでいた。
硬めの発泡スチロールでできたような3段くらいの低い階段の滑り台で、下にハイハイする赤ちゃんがくぐるのにちょうど良さそうなトンネルがある小さな滑り台。
滑り台を滑り降りた息子は、にこにこしながら誰もいないそのトンネルをのぞき込み言いました。
「可愛いね。赤ちゃんがいるよ」
と。

子どもは大人には見えないものが見えると言われており、でもそれは勘違いだったり、子どもの創造の産物の可能性もある。
私はそうであってほしいと願っている。