【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百五十三夜目『かくれんぼ』

これはIさんが東京都K市で体験した話です。

これは何年か前に1人暮らしをしていた時の事。
ある夜、私はいつものように寝ていた時に夢を見た。
場所は大きな畳敷きの縦に長い宴会場のようなところで、両サイドには精進料理を食べるような小さなテーブルのようなものがズラーッと並べられていて、奥は昔ながらの有線マイクでカラオケ出来るようなお立ち台があった。
そこには私の人生で出会った人たちが出会った年代問わず、わんさか居てざわざわしていた。

そこには折り畳まれた布団があり、私はそこで高校の同級生(仮にAくんとします)と2人でかくれんぼをしていた。
鬼が誰かは分からなかったが2人で隠れてドキドキしていた。
様子を見ようとAくんが布団の横からそっと顔を覗いた時
「やばいっ!見つかった!」
と、すごく焦ってすぐに顔を引っ込めた。
私も様子を見ようとAくんと場所を変わり、顔をそっと覗いた瞬間
先程までざわざわ騒がしかった音が一気に静まり返り、Aくん以外の人が居なくなっていた。
代わりに中央付近に、こちらに背を向けている黄色の帯を巻いた赤い着物を来た女の子が立っていた。

私は直感的にやばいっ!と思ったのだがその子から目を離すことが出来なかった。
すると、そのおかっぱ頭の赤い着物の子は
ゆっくりとこちらを振り向こうとしてきた。
ここで振り向かれたら本当にやばいっ!と思った瞬間、私は目を覚ました。
なんだぁ、夢か〜。と思ったのだが私は仰向きで寝た格好のまま金縛りにあっている事に気付いた。
すると視界の左端に、先程夢で見た赤い着物の子が立っているのが分かった。
部屋は電気を消していて暗いのにハッキリとそこにいるのが分かった。
どうする事も出来ずにじっと見ていると、視界の左端に居た着物の子は、後ろ向きのまますーっと滑るようにこちらへ近づいてきた。
体を動かそうと逃げるように反対側へ必死に力を込めると、金縛りがふと解けて背を向ける事ができ、その子の気配も消えた。

横になっているのがなんだか怖くなり、ベッドに座って時計を確認すると、2時を過ぎた丑三つ時だった事もあり、その日はそれ以上眠る気にはなれなかった。
それ以来、あの着物を着た子は出てきていない。