これはBさんが広島県H市で体験した話です。
あるホテルに何泊かしたときのこと。
部屋で一人で過ごしているときに、女性の悲鳴が聞こえてきた。
悲鳴のような、ではなく、部屋の外で叫んでいるようなリアルな悲鳴。
最初は実際に誰かが叫んでいるのが聞こえているのだろうと思っていた。
しかしそれが繰り返し起こるのだ。
不思議なのは、悲鳴の聞こえ方が毎回そっくり同じ大きさと長さ、同じ方から聞こえること。
実際に悲鳴を上げているのならば、毎回声の具合が変わると思うのだが、その悲鳴は毎回、同じ音声を再生したかのように同じ悲鳴に聞こえた。
私は気味が悪くなったので、霊感の強い友人に電話で相談することにした。友人はすぐに電話に出てくれたので、早速事情を説明した。
私の話を全て聞き終えた友人は、たった一言
「いるよ」
と。思わず悲鳴を上げそうになったのだが
「今部屋に入ってきてるね」
そんな事を言われてしまっては、私にはなにも見えないのだが、もう怖くてそれ以上その部屋にいることは無理だった。
すぐホテルにお願いして部屋を変えてもらい、移動した部屋では何も聞こえなかったのだが、この部屋は大丈夫かなどと改めて友人に電話で聞く気にもならなかった。
悲鳴が聞こえなくても、また「部屋に入ってきたよ」と言われたら、このホテルには居られないと思ったからだ。
翌日すぐにそのホテルをチェックアウトして、それ以降利用していない。