【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百三十八夜目『道連れ』

これはHさんが広島県O市で体験した話です。

ある日のバイト中、後輩の女の子がいつもより元気がなかったので、どうかしたのかと訊ねた。
するとその子がげんなりしながら何があったか話してくれた。

つい先日その子は友達と4人で遊びに出かけたそうだ。
夜になってもなんだか帰りたくなかった彼女たちは行く宛もなくドライブすることにした。
田舎なので特に遊べるような場所もなく、なんとなく近くのダム方面へ車を走らせた。
最初はワイワイしながらドライブしていたそうなのだが、途中で友達の1人が体調が悪くなったと訴えてきたそうだ。

それならもう帰ろうとみんなで来た道を戻ろうとしたのだが、夜の山道で灯りもないので自分たちが今どこにいて、どの道を曲がったのか分からなくなった。
山の中なので携帯も圏外で、車のナビを頼りに帰ることにしたのだが、途中で運転手が異変に気付き声を上げた。
「このナビなんかおかしくない?」
そう言われて皆がナビに目を向けると、ナビの現在地を表す矢印が、グルグルと回転し続けていた。
「やだ!怖い!」
「早く帰ろうよ!」
ナビがおかしくなってしまい、帰る事がなかなか出来ず、車内は軽いパニック状態で冷静に道を覚えようとする者はいなくなってしまった。

「誰かがミラーに映ってる!やだ!頭が痛い!!」
体調不良を訴えた友達が叫んだ。
他の皆が慌ててミラーを見ても何も映っていない。
「怖いこと言わないでよ!」
「本当なの!」
車内はますますパニックに陥った。
そうこうしているうちに、頭痛を訴えた子は痛みのせいか恐怖のせいか気絶してしまった。
「ちょっと!大丈夫?!」
「どうしよう!」
皆が心配していると、運転手の明るい声が聞こえた。
「あれ?戻ってこれた!!」
いつの間にか車は見知った道路に出ていた。
急いで帰っている途中、気絶した子は意識を取り戻し、何事もなかったかのように振る舞ったそうだ。

私は心霊系の話を信じないので、
この話を聞いた時は
「そっかぁ、大変だったね」
としか言えなかったのだが、後日私の幼馴染と会った際に、あの日後輩の女の子たちが行ったダムで、私の同級生の1人が自殺したという話を聞いた。