【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

九十八夜目『さがしもの』

これはMさんが徳島県T市で体験した話です。

場所は徳島県の標高190メートル程度の山としてはとても規模の小さな山。その日、私は彼女とデートをしていた。夜になりドライブをしていた時に夜景を見に行っていたときのこと。12月の風が強い日だった。その山には夜景の見れる綺麗なテラスがあるのだが人が多いので、私たちはそこからもう少し上にある神社まで車で向かった。そこで夜景を20時半過ぎまで見て、そろそろテラスの人も減っただろうと移動する事にした。

神社からテラスまでの道のりはあまり街頭がなく非常に暗いため、ヘッドライトだけが頼りだった。車を走らせて下っていたとき、1人だけ歩いて登ってくる人がいるのが見えた。
こんな12月の寒い真っ暗の時間によく歩いて登るなと感心した。すれ違いかけたときついついどんな人かと見てしまった。
その人は女性で髪が長くて顔がはっきり見えなかったのだが、化粧のせいかやけに白く見えた。格好はミニスカートに普通のトレーナー。
女性が少し気になってルームミラーで確認した。特におかしな所はない、それでも何がとは言えないが違和感を感じていた。

テラスまでたどり着くと、予想通り人が減っていた。外は寒いので車内で夜景を見ていると、なにか横に人影らしきものを感じてふと右を見ると、木の生い茂った斜面をさっきすれ違った女性が一生懸命なにかを探しているのが見えた。
私たちはその女性に薄気味悪さを感じて、何をしているのだろうと車の中から伺っていると、少しずつこちらに移動して来ているようだった。
それまでゆっくり動いていた女性が急に足を止めたかと思うと、顔をばっとこちらに向けた瞬間、私たちは思わず叫び声を上げてしまった。

その女性の顔の位置には、顔と呼ぶには必要な目と鼻と口が付いてなかった。
私は車を飛ばして一気に下山したが、こんな恐ろしい経験はこれが初めてだった。