【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百五十四夜目『目の前に』

これはAさんが大阪府N市で体験した話です。

私が今から15年程前、20歳頃に大阪のM山にある昔の処刑場『首狩場』と呼ばれる心霊スポットに、当時仲が良かった友達とその知り合いのグループ8人くらいで肝試しに行った時の事。
M山までは車2台で向かい、首狩場の近くの駐車場に停めてしばらく細い山道を歩き首狩場まで向かった。
そこは明かりもないところで、何人かが持っていた懐中電灯だけが頼りの真っ暗な場所だった。

首狩場と呼ばれる場所に着くと、一つの小さな小屋が見えた。それ以外は何もなく、ただ不気味な雰囲気だけといった感じ。
小屋の入り口は木の格子になっていて、もちろん鍵はかかっていた。
皆は他に何もないので唯一ある小屋の格子の隙間から、興味本位で中を覗いてた。
私自身も怖いから早く帰りたいと思いつつ、友達と一緒に隙間を覗いてみることにした。
もちろん中は真っ暗。私の隣には話したこともない一緒に来ていたギャルの子も覗いていて
「何も見えへんわ」
というような感じで、少し残念そうにしていた。当時のガラケーで隙間から数枚カシャカシャと写真を撮って、皆がもうそろそろ車に戻ろうかーとなった時に、先ほどのギャルがきゃあ!!と悲鳴をあげた。

私も近くにいたので
「どうしたん?」と聞くと
「ちょっと写真見て」とガラケーを差し出してきた。
1枚目真っ暗、2枚目真っ暗、3枚目だけが先の2枚とは少し違ったように見えた。
「この3枚目よく見たらこれ顔やわ」
そう言われて、私ももう一度よく見ると画面いっぱいに口を開けた男の人の顔があった。その男には口ひげがあるようにも見える画像で、光の加減などでの錯覚では無さそうだった。
顔だとわかった瞬間に全身鳥肌。一緒に見た友達も同時に顔だと分かり悲鳴をあげた。

ギャルの使っていたガラケーにはフラッシュ機能が付いておらず、明らかにあの暗闇で何か写り込むのも不自然で、しかも小屋の中に人がいたとも考えられない。
その上顔があんなにもアップに映り込んだと言うことは、私たちが覗いていた時に顔が目の前にあったという事になる。
ありえない現象にその場にいた皆が恐怖を感じ、いち早くその場から去り駐車場に戻った。

その写真を撮っていたギャルは私と別の車へ乗り、私たちの車が先に山を下りた。
山を下ってコンビニでもう一台の車を待っていても一向に降りてこず、心配した運転手の知人がそのギャルの乗った車の運転手に連絡を取ると、後続車は山道の下りの最中にタイヤがバーストして危うく事故を
起こしかけていたとのことだった。
たまたま偶然起きたことにしても、あの写真の男性が関係しているのではと考えずには入られなかった。
安易な気持ちで心霊スポットに行くと命を落としかねないと思った出来事だ。