【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

九十二夜目『廃病院の女性』

これはEさんが愛知県N市で体験した話です。

高校生の頃、友人達と地元で有名な廃病院へ肝試しに行った時の事。
そこは産婦人科で立ち入り禁止となっていたが、興味本位で皆で侵入したのだ。
実際そこでは何か問題があったわけではないのだが、ふざけて皆で写真を撮った。
何も起きなかったが、やはり雰囲気はただならぬものを感じて、みんなで口々に怖かったと話しながらその日は解散した。

翌日以降学校に行っても、肝試しをした日から一度も登校してこない友人がいた。
彼は結局その後一度も学校に来ることはなく、高校なので単位が足りずに留年となったのだが、それでも学校を休み続けて結局退学という形に親がしたようだった。
実は、彼はあの日から行方不明になっており、親も捜索願を出していたのだが見つかる事はなかったのだ。
残された友人達と、暗黙の了解であの廃病院に行った事は他言無用となった。
彼の最後の姿を見ようとあの日撮った写真を見返すと、彼の肩に女性が抱き着いているような写真に見えたのを覚えている。

あの肝試しから2年が経ち、高校卒業を間近に控えた頃、友人がたまたま廃病院の近くに用事があり訪れると、街中で自転車に乗る彼を見かけたそうだ。
行方不明だった為、あの後何をしていたのか話を聞きたかった友人は、彼に話しかけたのだが無視して走り去られた。
それでもどうしても気になった友人は彼のあとをつけて行くと、廃病院の近くに自転車を止めて、あの日と同じように立ち入り禁止の廃病院に入って行き、病院の玄関まで行くのが見えた。

友人は柵の隙間からその様子を見ていたらしいのだが、玄関の所で彼は不意に立ち止まり、体ではなく首から回転するような姿勢で振り返り、柵の隙間から見る友人の目を見つめて手招きしたそうだ。
友人はあまりに怖かったのでその場から逃げ出してしまった。

後日学校でその話を聞き、写真に写る彼の後ろに現れた女性らしきものが、なんとなく気になってしまい、久々に写真を見てみようと見ると、彼を見つけた友人の肩に女性の手が移動しているように見えた。
僕たちは順番に彼女に連れて行かれるのだろうか。