【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

六十七夜目『ただいま』

これはKさんが神奈川県S市で体験した話です。

秋から冬にさしかかり肌寒くなった季節の事。
私はキッチンで少し急ぎながら夜ご飯の準備をしていた時


「ただいま」

と、主人のいつもより暗い声がした。

「おかえりなさい」

と答えると、私の後ろを通り、キッチン横にある窓を開け、主人がベランダに出ていく気配がしたので


「たばこ吸いに行くの?」

と聞くと

「うん」

と言ってベランダに出ていった。それから1分もしないうちにベランダから戻ってきた気配がしたので

「早いね」

と声をかけると

「うん」

と返事をして、また私の後ろを通り反対側の扉から廊下に出ていった。
その5分後位に

「ただいま」

と今度はいつもと同じ明るいの主人の声。え?と思い振り向いて

「おかえりなさい」

と答えると、ヘビースモーカーでもない主人が

「タバコ吸ってくるね」

とベランダに行こうとしたので

「また?」

と聞くと

「え?今帰ってきたんだよ?」

と不思議そうな顔で答えたので、数分前にあった事を主人に話した。

主人に話していて気づいたのだが、いつもより暗い声で「ただいま」と聞こえて、私は振り向こうとしたのに、何故か振り向いてはいけないと思った事。そのあとも何度か振り向こうとしても振り向けなかったのだ。

それから数年後に知った事なのだが、あの時キッチンで夜ご飯を作っていた私の後ろのリビングに、当時6歳と4歳の娘が遊んでいて、私が

「おかえりなさい」

と一人で話しているのに娘が気づき

「ママ、誰も帰ってきてないよ」

と言ったらしいのだが、その声はまったく聞こえていなかった。