これはSさんが北海道S市で体験した話です。
Sさんが通っていた高校の近くには滝があったそうだ。
部活のランニングコースでよくその滝の近くを通るコースを使っていた。
ある日のこと、部活帰りに
「みんなで試しに行ってみない?」
と部活の先輩からのお誘いがあった。その滝はいわゆる出ると言われる場所。
あまり心霊スポットとか興味がなく、面白半分行ってみようとSさんは参加した。本来は行くと呪われるからあまり行かないほうが身のため、絶対行かないほうがいいと、色んな人から聞いていたが、Sさんは半信半疑だった。
部活が終わった頃にはもう辺りが暗くなっていた。
その時はみんなといっても四人しか集まらず、結構少ない人数でよくあんな場所に行ったなと後悔したそうだ。
そんな事で集まった少数精鋭四人衆、まず滝に近づくまでチャリンコで行ったのでヘトヘトになりつつも目的地についた。
その滝は公衆トイレで焼身自殺、滝での投身自殺が有名なスポット。
着いてすぐに写真撮影を行い、周辺を捜索、でも結局は何も見つけることはできなかった。
「なんだただの噂か…」
がっくりして帰るSさんたち、その中で一人が
「なんか焦げ臭くね?」
と言い始めた。冗談を言ってるような感じではなく、「早く逃げたほうがいい」そう思ったSさんは、他の四人に急いで逃げようと伝えて自転車を漕ぎ出した。
その時パリン!と音がして、自転車のライトが急に消えた。みんなの電球が同時に破裂したようだった。
無灯火で帰り道の急勾配を下っていった。
近くのコンビニに駆け込み、とりあえずホッとして、そのまま解散して帰った。
後日部活終わりに、その時の話になって気づいた。
四人で行ったはずが、あの時Sさんは自転車に跨る人影を四人見ていたそうだ。