【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

二十夜目『手渡された物』

これはAさんが中学生の頃、愛媛県I市で体験した話です。

その日は満月で、カーテンの隙間から光が入りこんで部屋のものもある程度見えるくらい明るかった。自分の部屋を与えられていたAさんは部屋で一人寝ていたそうだ。
ふと、目が覚めた。恐らく時間は夜中の1時を過ぎたあたり。何故かすっきりとした目覚めで、再び眠りにつくこともなく月明かりで少し明るい部屋の天井をぼーっと眺めていたそうだ。
起きてから数分経った頃、金縛りが襲ってきた。しかしAさんは何度か金縛りにあった事があり、また金縛りは霊的な物ではないと考えていたので、特に焦ることもなくそのまま天井を眺め続けていた。

(今日の金縛りは長いなぁ)

しばらく金縛り状態が続き、いつ終わるのかと思っていると、布団が足元に向かってズルッと引っ張られ、その後にその足元に何かの重みを感じた。
普段は怖がりなのだが、そのときは「怖い」という感覚よりも、「何が起きているのか」という好奇心が勝ってしまい、視線だけをどうにか足元に向けたそうだ。
そこには白か薄い水色のようなワンピースを着た髪の長い女の人が座っていた。

(へー、幽霊って本当にいるんだ)

と、何故か驚きもせず女の人を観察していると、その女の人はAさんに向かって手を伸ばしてきた。Aさんも無意識にその人に向けて一生懸命に手を伸ばそうとすると、その腕をつかまれて手の中に何かを握らされた。その後、女の人は

「あなたにあげる。持っていて」

とだけ言って消え、Aさんの金縛りもすっかり解けた。急いで起き上がり手の中を見ても何もなかったが、腕をつかまれた感覚はまだ生々しく感じられた。
次の日にそのことを母に話すと、母も同じくらいの時間に金縛りなったという。
ただ、母が見たのは幼い男の子だったそうだ。Aさんが見た女の人と、母が見た男の子に繋がりがあるかはわからないが、2人して不思議な体験をした。

何を渡されたのかは今でもわかりません。ただ嫌な気持ちはなかったです、とAさんは話した。