これはHさんの弟が大阪府N町で体験した話です。
当時弟さんが高校3年生の時、真夜中に友人数名と原付きで大阪はN町にある山に行ったそうだ。
日頃から夜な夜な原付で走り回り、悪さをするようなヤンチャな性格だった。
目的の山にある神社で、狛犬に2人ずつ跨り決めポーズを取って、使い捨てカメラで写真撮影したり、お地蔵様には野球で使う赤いヘルメットを被せてみたりと、不謹慎な事を一通りして満足した所で引き上げたそうだ。
その帰り、弟さんは自宅の近くで友人と話し込んでいると、
「きゃああああ!」
友人の一人が突如奇声を発したそうだ。
「それは呪いとかやのうて、ちょけとっただけやろ」
Hさんの指摘に弟さんも、最初はそう思っとったんやけど…と、続きを話した。
最初は面白がってカメラで写真を撮っていたのだが、あまりにもしつこいのでそのまま友人に強制連行されていったそうだ。
後日現像した写真には、少し気味の悪い物が写ってたとHさんに見せてきた。
「叫んでたのはこいつなんやけど、顔気色悪いと思わん?」
弟さんの指さした男の子は、何かに殴られた瞬間のように、皮膚が波打ち歪んでいた。
「あとこれな」
自宅の隣にある空き店舗がたまたま写真に写っていたのだが、ガラスには先程のものより気味の悪い物が写りこんでいた。
「スキンヘッドの男がこっち睨んでるやろ?まるでヤクザみたいや」
「アホかお前。これ全員坊さんやろ」
生首状態のお坊さんが何人もいたそうだ。
その後、因果応報というべきなのか、弟さんは警察のご厄介になる事がしばしばある、ろくでもない人生を送っている。