【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

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十八夜目『動物』

これは埼玉県に在住のHさんから聞いた話です。

今から7年ほど前のこと、閑静な住宅街に一人のいじわるなおばさんがいたそうだ。
おばさんは子供と動物が嫌いなようで、いつも登下校する子供たちを監視したり、家の庭に入って来た猫を追い払ったりしていた。
犬の散歩をする人には犬のおしっこやフンの始末について怒鳴ったり、バカ、アホなど執拗に罵倒したりしていた。

そのおばさんには2人の息子がいた。1人は某有名大学院のエリートで、もう1人も私立の中高一貫校に行っていた、いわゆる高学歴エリート。彼らは積極的に子供や動物をいじめることはなかったものの、母親を止めることもなかったので母親同様、地域の人たちからは嫌われていた。
その一家は自治会でも度々問題になり、警察に相談した人も何人かはいたものの、警察は注意することだけしかできない、ましてや証拠もないのに逮捕や留置などはできないの一点張り。何度も相談があったにも関わらず警察はその一家を捜査する様子もなかった。

そんなある日、痛ましい事件が起こってしまった。その一家と激しく対立していた犬猫好きの一家(仮にT一家とする)。その家の愛犬が急死したのだそうだ。T一家と獣医師はあの一家が周りに撒いていた原液農薬の影響を疑ったが、警察はそれでも逮捕することは難しいという姿勢を崩さなかった。そうこうしているうちに、今度は別の家の愛猫も一匹犠牲になってしまった。
それがきっかけになり地域の住民は激しく怒り、そして一家の息子たちを狙った暴力事件までもが起こりかけ、あわや殺し合いという事態にまで発展した。
それでも一家は引く気は無いようで、

「この地域が変わるまで私は戦い続ける」

と宣言して監視や暴言が更に酷くなり、自衛の為だと言い張り、公道の通行にも危険が及ぶギリギリの所まで塀に有刺鉄線などを張り巡らせたそうだ。
それでも警察も役所もまともに動かないことは皆分かっており、T一家は埼玉県K市のとある有名な占い師(霊能力者)に相談することにした。
当然いじわる一家への復讐の依頼をしに行ったのだが、

「そうする必要は全く無い」

と占い師は言った。そしてその意味がすぐに分かったそうだ。
いじわる一家の息子の兄の方は、大学院を出て公務員になったのだが、入社して1年ちょっとでクビになり、弟の方は有名大学に進学したが引きこもりになった。おばさん自身も一度救急車で運ばれる大病をして入院したようだが、自身の大病よりも息子たちのトラブルの方が堪えたようだ。そしてさらに数年。お金が無くなったのか、あるいは追い出されたのか、どんな事情があったのかは分からないが、その一家は引っ越していった。風の噂では一家は離散、おばさんは実家に帰り、息子の兄の方は生活保護、弟の方は自殺したという話を聞いた。
占い師によれば、犬の呪いも猫の呪いもすさまじいもので、特に猫の呪いは家を完全に消滅させるくらい朝飯前な程度なのだそうだ。猫の呪いの凄まじいところは、いったんターゲットを豊かにしたり出世させたりしていい思いをたっぷりさせたあと、急激に落として心身を共に再起不能にすること。しかもこれは霊能力者でも簡単に対処することはできず、場合によっては何十年、何百年も祟り続けターゲットの子孫たちすら地獄に堕とすほどの力があるそうだ。

Hさんは「あくまでも聞いた話だから」と言っていたが、なんとなく動物はこれから飼えそうにないとも言っていた。