【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百八十三夜目『追ってくる』

これはSさんが北海道S市で体験した話です。

私が高校生の時の事。
いつものバンド練習を終え、帰路につく途中。
その日はバンド練習の後にメンバーと夕飯を食べたので夜遅い時間で真夜中の帰宅になった。
自転車に乗りいつもの道を通り、家に戻っていた。

どこからなのか?いつからなのか?人なんていた?
ふと気づくと国道の一本道を走る私を追うように、ものすごい勢いで人が走ってくるのがカーブミラーに写ったのが見えた。
私は自転車。どう考えても人に追いつかれるはずはない。それなのにカーブミラーを見る度に私にどんどん近づいてくるように距離が縮まっていた。

私は恐怖を感じながら、ペダルを全開で漕ぎ続けた。
でも、相手は私にどんどん近づいてくる。汗をかきながら恐ろしさに震えながらひたすらペダルを漕いだ。

「にげろ、にげろ、にげろ」

なぜなのか、頭の中でそんな声が聞こえた気がした。嫌な予感がして後ろを振り返ると、もう手が届きそうな距離に相手がいた。
私は恐怖のあまりハンドル操作を誤り、側溝へ突っ込んでしまい転倒してしまった。

これは捕まるか。そう身構えた瞬間相手はそのまま直進。その直後に前方の交差点で物凄い音がして車同士の交通事故が起こっているのが見えた。
もし私がそのまま直進をしていたら、転倒せずに進んでいたなら。そう考えるとゾッとした。





「次は逃がさない」

百八十二夜目『落下する音』

これはKさんが大阪府Y市で体験した話です。

一人暮らしの友達Aの家に、私とB、Cで泊まりに行った夜のこと。
お酒を飲みながら恋バナをしていると、唐突にAが

「そういえば皆、泊まるの初めてだよね。このマンション、出るんだよね」

と、言い出した。

「出るって何が?」

「幽霊。3年前にこのマンションの外廊下から飛び降り自殺をした人がいるんだけど、夜中にね、その時の音が聞こえるの」

「音って?」

「ほら、あれだよ。飛び降りした人が地面にぶつかる音」

「えー、まさか。何かの聞き間違いじゃない?」

「本当だよ、彼氏も聞いたし、隣の部屋の人も聞こえたって言ってた。あ、もうすぐだよ」

Aが深夜3時を示す置時計を指さした瞬間、まるで地面に重たい何かがぶつかったようなドーンッという音が聞こえた。

「皆も聞こえたでしょ?この時間にこの音が聞こえるの。でも、ベランダに出て地面を見ても何も落ちてないんだよね」

私もBもCも、何か他の音がたまたま聞こえただけで、Aが嘘をついて怖がらせているのだと思っていた。
だから翌日の深夜にAの家に行って、3時にベランダに出て、音が鳴ったらすぐ下を見ようという話になった。

翌日、昨日と同じメンバーでAの家に行って、音が鳴るという深夜3時少し前にベランダに出て待っていた。

もうそろそろ3時だね、あ、3時になったよ
なんて話していると、私達の目の前を何かが落ちていき、その後すぐにドーンッという昨日と同じ音が聞こえた。
下を見ても何も落ちておらず、目の前を落ちていったのはなんなのか、本当にこの世のものじゃないのかもしれない、なんて話しながら部屋の中に入り、翌朝それぞれの家に帰った。


怖くて、未だにあの時一緒に居たメンバーの誰にも言えていないのだが、実はベランダで見た落ちてくる何かは、苦悶の表情を浮かべた私だった。
あれ以来Aの家には行っていないが、恐らく今でも自分の顔をした落ちる人影と、地面に体が叩きつけられる音は聞こえてくるのだろう。

百八十一夜目『地獄のそうべえ』

数年前に古本屋へ行った時の話です。

弟が漫画を大量に売りたいということで、その運搬を手伝う形で行きました。弟は山盛りの漫画本を持ち込んでいて、会計までしばらくかかるとのことでした。
私は、古本屋は利用したことがなかったので、物珍しい店内を一人であちこち見て回っていました。

オカルトの面白い本がないかなと思って、超常現象と分類されている棚を眺めていたとき、背表紙が棚の奥向きになっていて題名のわからない本を見つけ、手に取ってみました。

【落語を楽しもう】

というようなタイトルだったと思います。
文字が大きくてイラストが多かったから、おそらく小学生向けだったんだろうと思います。載っているのは【じゅげむ】や【饅頭こわい】などの有名どころばかりでしたが、添えられている挿絵が面白かったのでペラペラめくっていました。

【地獄のそうべえ】という話のところで、余白に『こわい』と走り書きがありました。
地獄のそうべえというのは、主人公そうべえが同じく地獄行きになった歯医者・医者・山伏とで、鬼に食べられそうになったら歯をひっこぬいたりと、生前の職を活かして切り抜ける話です。
コメディ要素もありましたが、子供心に地獄の業火や鬼達のイラストがとても怖かったのを覚えています。
走り書きを見たときも、前の持ち主だった子供がそういう思いをしたんだろうと思って微笑ましくなりました。

次のページの余白にまた文字が書いてありました。
『困っています。よろしくお願いします』と赤いペンで書かれていて、文中の『じごく』に丸がしてありました。
その下に掠れた黒い文字で『リョウカイ』、すぐ下に『オワリ』、その下に赤ペンで『有難うございます』と書いてありました。
なんだこれ?と思いながらページをめくりましたするとまた『お願いします』と書かれており、文中に丸、そしてその下には『リョウカイ』『オワリ』、赤文字で『感謝致しますお世話になりました』と書かれていました。

他にもやりとりはいくつもありました。赤い文字は、薄かったり蛍光だったり達筆だったりミミズだったり様々でしたが、リョウカイ・オワリの文字だけは、いつも黒文字で掠れていてカクカクしていました。『頼みます』『リョウカイ』『オワリ』『有難うございます』『どうか宜しくお願いします』『リョウカイ』『オワリ』『どうも有難うございました』、いくつかそんな書き込みを見た後、物語が終わる辺りに紙が一枚挟まっているのを見つけました。

拡大したのか、黄みが強い荒い画質で、学ランを着てぎこちなさそうな表情をした少年の写真がありました。その写真が何とも不気味で、そっと本を基の場所に戻しておきました。あの少年の写真は、今でも時々思い出します。

百八十夜目『引越し初日』

これはKさんが大阪府O市で体験した話です。

一人暮らしをすることになり、部屋を探していると、最寄り駅から徒歩5分以内・2LDK・風呂トイレがセパレート・築5年以内で家賃5万という破格のマンションを不動産屋さんに紹介された。

流石に不審に思った私は
「なんでこんなに安いんですか?」と、訊ねると、どうやら事故物件なんだとか。
何でも、前の住人がその部屋で自殺したそうだ。
でも内見をしたところ、とくに変な感じはしなかったですし、その部屋を気に入ったのですぐ賃貸契約を結ぶことにした。

問題が起こったのは、引っ越した最初の夜。
ベッドで寝ていると急に体が動かなくなった。
初めての金縛りにびっくりしたが、その時は
「引っ越し作業で疲れていたのかな」と、思って、金縛りが解けるのを待っていた。

しかし、一向に金縛りが解ける気配がない。
仰向けで寝ている状態で体が硬直してから体感で30分程経った頃、部屋を何かが這う音が聞こえてきた。
ズル…ズル…と、それはゆっくりゆっくり私のベッドの周りを這いずり回っているような嫌な音。

何がいるのか確かめたい、でも目を開けるのが怖い。
心の中で葛藤していると、その這い回る音が急にピタリとしなくなった。
いつの間にか金縛りが解けて体が動かせるようになったので、何がいたのか気になってそっと目を開けて部屋の電気をつけようとベッドを降りようとした。

子供のように体が小さいのに、頭が妙に大きくて、四つん這いの人が足元にいた。
真っ暗闇でよく見えないはずなのに目が合った気がして、思わず「ひぃっ!」と、声にならない声で叫ぶと、ソレはふっと消えていった。

それ見たのはこの1回きりで、それ以来見ていない
でも、毎夜這いまわる音が聞こえてくるのでノイローゼになり、1年も経たず引っ越した。
あの奇妙な霊は前の住人なのか、それとも別の何かなのか。今になってはもう分からない。

百七十九夜目『乗り込んだ女性』

これはMさんが大阪府O市で体験した話です。

当時住んでいた部屋が8階建てのマンションの最上階。
その頃キャバ嬢をしていたので、それなりの自由になるお金があり、かなり設備のしっかりした新しいマンションで、ロビーにはエレベーターの中の防犯カメラの映像が見られるモニターが設置されて、ロビーに居てもエレベーターの中が見えるようになっていた。

ある日、遊びに行くために友達が迎えに来たのだが準備が出来ていなかったため、友達にはロビーで待っていてもらうように頼んだ。
数分後急いで部屋を出た私は、エレベーターに乗り込むとロビーのある1階を押した。

ところが、エレベーターは途中6階で停止した。
ドアが開いても一向に誰も乗ってくる気配がしない静寂の中、人の気配を探したが誰もいないようなのでドアを閉めた。
何かの拍子に私が6階のボタンを押してしまったのかもしれない。閉まっていくドアを見ながらそんな事を考えた。
しかし、数秒後ドアはまた開き、再びの沈黙が訪れた。6階にはやはり誰もいない。
人感センサーが誤作動でもしてるのかと思いながらまた閉じるボタンを押すと、今度はドアが閉じた。

その後は無事にロビーに着いたのだが、友達はイライラした様子だった。
もともと気の短い友達だったので、最初は準備が遅かったことを怒っていたのかと思ったのだが、そうではなかった。

「あの女!降りもせんくせになんで、6階で開く押してたん?!」

よく話を聞くと、友達には8階で妹と一緒にエレベーターに乗り込む女性が見えていたそうで、
その女性が6階のボタンを押した後、6階に着くと今度は開くボタンを押していたそうだ。

「で、その女どこで降りたん?」

そう聞かれたが、私は友達に答えることが出来なかった。友達にはその女性が生きている女性と同じように見えていたらしい。

百七十六夜目『笑う男』

これはHさんが埼玉県S市で体験した話です。

母曰く、幼い私は仏壇の前やお墓が好きだったり、周りの人には見えないものと遊んでいるような変わった子だった。
人ならざる者の気配はもちろん、生きている人のオーラや、オーブ、赤い光の線等…変わったものが見えていると自覚したのは中学になってから。
いつの間にか成長とともに、あまり良いものではないと感じるようになって、見ないように意識して過ごすようになった。

電車通学だった私は、空いている車両を探して乗り、扉から一番近い角席に座って本を読みながら帰るのが日課となっていた。
ある日の帰り。
各駅停車に乗り、武蔵浦和駅で快速電車に追い越されるのを待ちながら、停車した車内でいつも通り本を読んでいた。
視界の端に動いているのが見えて視線を上げると、閉じているドアの前には20後半〜30代前半くらいの男性が立っているのがが見え、何やらしきりにもぞもぞ動いていたのが少し気になった。
何の気なしにそのまま男性の方を見ていると、その人は閉じたドアを通り抜け、ストンと線路に落ちて行ったのだ。

嫌なものを見た。本に視線を戻すと、また視界の端に動く物が見える。恐る恐る見てみると、またその男性がいる。落ちてはまた現れ、それを何度も繰り返していた。周りには私以外誰もない。

これは出会ってはいけないものだ…と、怖くて立ち上がることすら出来ず固まっていると、やっと電車が動き始めた。それと一緒にその男性も消えていった。
それからはその駅に長居しないよう避けていたので、見ることはなかった。

24歳になった私は、この世ならざるものを何となく感じることはあれどほとんど見えなくなった。
そんな今でも思い出す度に怖くて震えるのは、あの男性がにんまり笑っていたせいかも知れない。

百七十五夜目『つかまれる』

これはKさんが埼玉県T市で体験した話です。

友人4人でT市の山奥の方にドライブがてら心霊スポット体験をしていた時の事。
一人の友人が頭が痛いと言い出したので心配していると、「こういうのヤバいんだよね」と言い出した。その子は霊感が強いそうなのですぐに感じてしまうそうだ。周りのみんなはやめてよ怖くなるだろと言っていたのだが、頭が痛いのは本当らしく、その場所から少し離れる事にした。

するとその子は何事もなかったかのように、
「あ~痛かった」と。
内心『何だこいつ』と思いながら走っていると今度は足が痛いと言い出した。
またかよって感じでみんな呆れていた。「また離れれば大丈夫」と言うので仕方なく車を走らせるとようやく友人も治った。

こいつ大丈夫か?と思いつつ、これ以上面倒なのは嫌だったので帰る事にした。
その途中、友人が変なことを言い出した。
どうやらあの時、外から2~3人に降りてこっちにこいと言われ頭を掴まれていたそうなのだ。必死に抵抗していたそうなんですがもう少し遅かったら持っていかれてたという。
また気味の悪いことを言い出したなと他の友達は引いていた。
足が痛かったのは、床から手が出てきて足を引っ張られていたそうだ。