【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百三十四夜目『テナント』

これはCさんが神奈川県E市で体験した話です。

私が小さい塾で講師をしているときの事。
その塾はあるビルのワンフロアーを貸し切って作られてい。
小さいものを含め6つほど教室があったが、奥の部屋は他のビルに囲まれていた為、窓から光が入らず少しジメッとしたような薄暗い雰囲気で、その教室に入るのを嫌がる子が何人かいた。
私は霊感が強いタイプではないので全く怖いとは感じなかったが空気の悪い教室だったのは覚えている。

講師を始めてどれくらい経ったか、高校1年生のかわいらしい女の子が入塾してきた。私が担当になりいろいろ話して打ち解けたころ彼女が私にぽつりと言った。
「奥の部屋がとても嫌な感じがする。気持ち悪いから使いたくない」
私は思春期独特の霊感強いアピールかと思い、その時は話を聞きながらもあまり気にしていなかった。
とはいえ、彼女があまりその教室を使わないよう配慮はしていた。

しかし、ある時他の教室が空いておらず奥の教室で授業をすることになってしまった。
彼女は嫌々ながらも席につき頑張って勉強をしていたが、あきらかに様子がおかしいのが分かった。周りにほかの生徒がいる手前なるべく平静を保とうとしているのだが顔色が悪く、他に視線を向けないよう黒板の一点だけを見ているような状態だった。
さすがに心配になってきた私は、他の生徒には問題を解くように伝えると、彼女だけ教室の外に連れて言った。

彼女は怯えきった様子で、
「黒板の前に首をつっている人が見える」
と話した。とても嘘を言っている様子ではなく、目立ちたいだけの子供なら教室で騒いでもおかしくない。
私は一先ず、彼女に今日は帰るよう促し、教室に戻って授業の続きをした。
彼女から黒板の前にいると聞いた手前、そこに立っている状況は、内心とても気持ちが悪かった。

授業後、仲良くなった他のテナントの方に聞いたところ塾が入る以前は銀行・金融系の会社が入っていたとのこと。
彼が知っているだけで2件自殺があったとのことだった。
それがあの教室の場所だったのか、首吊りだったのかどうかは分からない。