【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

八夜目『有名なホテル』

これはKさんが栃木県N市で体験した話です。

Kさんが新卒で入ったホテル業界でのこと。そのホテルがあるのは有名な温泉街で目の前には大きな川が流れていた。
ホテルは12階建てで、沢山の客が泊まりに来るある程度有名な所だった。
接客マナーや近隣施設の事を勉強する事に必死でなかなか休みの取れなかったKさんは、久々の休みに友人と遊んだのだが、そこで嫌な話を聞いたそうだ。

「Kの勤めてるホテルって、〇〇って所だよね?あのホテルって10階から飛び降りた人が何人もいるって噂聞いたけど、本当?」

元々怖い話が苦手だったKさんは、そういった類の話には疎くて知らなかった。友人から聞いたその噂も、怖いし考えたくもなかったので「知らない」とだけ答え、それ以上その話が続かないようした。
わざわざホテルに泊まりに来て、自殺する人なんているのだろうか、それに12階建てのホテルで、なぜ10階なのか。どうせ作り話に決まっているとKさんは噂自体を信じなかったそうだ。

それからしばらくして、Kさんが客室掃除の業務を行っている時の事だ。
チェックアウトの時間が過ぎても、お客様がいるかもしれないからノックをしてから部屋に入ることを教えられて、一つ一つノックをしなが掃除をしていた。

コンコンコン

「はーい」

部屋から、女の人の声がした。

「申し訳ございません、お部屋のお掃除に伺いました。退室のご予定時間は何時でございますか?」

…返事が無い。おかしいなと思ったKさんはもう一度ノックをした。

コンコンコン

「はーい」

やはり女の人がいる。しかしノックには返事があるのに、こちらの問いかけには一切返答がない。不審に思ったKさんは「失礼します」と声をかけて部屋の中に入ると、誰もいなかった。トイレに入ってるのかもしれないと思ったKさんは部屋の中を確認していくと、お風呂場が目に止まった。
やけに暗い気がするお風呂場を覗き込むと、お風呂場の床一面に赤黒い液体が飛び散っていた。匂いからもそれは紛れもなく何かの血液だと分かったKさんは、部屋を飛び出してしまったそうだ。

そのまますぐにKさんは退職した。辞めた後で聞いた話によると、Kさんが見てしまったあの部屋は、ちょうど10階にある例の部屋だったそうだ。