【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

百二十四夜目『生活感のある家』

これはCさんが埼玉県K市で体験した話です。

これまで住んでいたアパートの契約更新月が半年後に迫っていたため私と夫は
「アパートの更新どうする?また2年ここに住む?」
という話から
「20代半ばだしアパートの契約更新はしないで戸建を買っちゃう?」
という流れになり、休日は戸建の内見を何軒も見て回った。
ちなみに私も夫も築浅であれば中古物件でも特に気にならなかった。
だから新築に限らず築浅の中古物件も内見していた。

そんなある日、築浅ではないが築14年の戸建の外観が気に入り内見をしに行くことにした。
駐車場は2台分停めることができ、家の斜め前がごみ捨て場、4LDKで広く徒歩10分以内のところにスーパーと薬局があるそこそこ良い条件の物件。
でも、家の中をじっくり見ているとキッチンの下半分に濡れていた跡があった。
担当の不動産会社のスタッフに
「これはなんですか?」
と聞くと
「台風だった時に窓を閉め忘れちゃって中まで入ってきちゃって家の中が水たまりだったんですよね…でもまあ床は全て貼り換えたのでキッチンの跡が気になるようであればリフォームしたらいいかと」
と言われ、私は心の中で「なんていう適当な不動産会社なんだ…」とちょっと不信感を抱いた。

そして2階に上がり部屋を見て回ると、今でも生活をしてそうな部屋が1つあった。
といっても物があって生活感があるわけではなく、何もないのに生活感を感じる奇妙な部屋。
「ここはどのくらい住んでいない物件なんですか?」
と不動産会社のスタッフに聞くと、
「10年くらいですね」
と即答だった。
10年誰も住んでいない割には人が居る気配を私は感じた。後で聞くと、夫もこの時そう感じたそうだ。

全ての部屋を見終わり、不動産会社のスタッフに
「どうでしたか?築浅ではないですが全体的にキレイだったかと思います」
と言われ、夫が「そうですね…」と何か言いたそうな返事をすると不動産会社のスタッフが
「実はここの家主さんは10年ほど前に、家の前で自殺したんですよ。まあでも殺人事件ではないので気にならない人は気にならないと思いますがどうですか?」
と言ってきた。
私はこの時確信した。
家の中に入るなり「なんだかな…」と思う点が多く生活感を感じる。
そして日当たりが悪く時々寒気を感じた。
私と夫は一切霊感がなくこれまでに霊を見たこともない。
それでも何か感じるということはやはりここの家主さんはまだこの家に住んでいるんだと思う。

この日アパートに帰ってもなんだか寒気が続いた。
悪いことが連続して起きたわけではないが霊感のない私と夫がこんなにも何かを感じたということはきっとこの家に住んだたら憑りつかれていただろう。
結局私たちはその物件の契約を見送った。