【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

三十七夜目『格安の物件』

これはYさんが2019年10月に東京都N区で体験した話です。

Yさんは仕事の関係で神奈川県内から東京都に引っ越して来た。
独身なので家族は居らず物件探しは出来るだけ家賃の安い物件が良いと考えて、とある不動産屋に行くと1DKの間取りの家賃が39000円という物件があった。

「この物件、ネットで掲載してませんでしたよね?」

「あー、ここですか…」

少し言いづらそうに不動産屋は故物件だからと教えてくれた。一応どのような事故が起きたのかを聞くと女子大生が自殺をしたとの事。
Yさんも事故物件はヤバいかなとは思ったそうだが、とりあえず内見だけでもと思い物件を見せてもらう事にした。

「すごく綺麗ですね」

「ええ、リフォームしてますから。空き部屋になってから長いので、ホコリとかありますけど、引渡しの時には掃除も入りますし、いい物件だと思いますよ」

自殺した物件という事は頭にあったが、日当たりの良さ、家賃の安さや周辺環境の良さに悩んだ挙げ句入居を決めた。

しかし、入居してからわずか2ヵ月経過した時に最初の異変が起こった。Yさんが夜仕事から帰宅するとなぜか部屋のフローリングの床が所々濡れていたのだ。
何で?と思いながら、最初は雨漏りかと思い天井を見たが、雨漏り等はしておらず明らかにおかしいなと思いながら床を拭き、気にしない事にした。
その日から4日後の事、この日も夜仕事から帰宅して晩酌を始めてリラックスしていると

ザー…ゴボゴボ…

トイレから水の流れる音がした。ビックリしたYさんはスグにトイレのドアを開けて確認すると、特に何も異常は見つけられなかったのだが、その翌日からなぜか身体が異常に重たく感じ、仕事中もダルくて仕方ない状態になってしまった。
物件探しや引っ越しやらで疲れが出たのかな?と思いながら何とか毎日過ごしていたが、とうとう身体のダルさに耐えられずダウンしてしまい寝込んでしまったそうだ。

部屋で寝込んでいたYさんは、この時入居してからすでに半年が経過していたのだが、初めて金縛り状態になってしまったそうだ。なんとか解こうと体を動かす努力をしていると、知らない女性が私の足元に立っているのが分かった。
少し浮いているような様子に、これは人じゃないと思い、更に激しく体を動かして逃げようとした。
そしてふと気付いててしまった。浮いているんじゃなくて、天井からロープで吊られているんだ、首を。
全身に寒気が走った瞬間、女性が口を開けると離れた私の耳元で

「出・て・い・け…」

という声が響いた、その瞬間Yさんは気を失い目が覚めると翌日になっており、テーブルに女性の長い髪の毛がゴッソリと散らばっていた。
ヤバいと思いスグにその物件を引き払い引っ越したが、やはり事故物件は本当に霊が出るんだなと心から思いましたと、Yさんは話した。