【実話系怪談】忌奇怪会~kiki-kaikai~【本当にあった怖い話】

Twitter→https://twitter.com/kikikai76211126?s=09 怖い話を集めています。 ある程度見て頂ける人が増えたら、wordpressなどを使って原文も合わせて投稿したり、 コメントなど頂けた人気の高い話は朗読系YouTubeでも公開しようと考えています。 現在はまだまだ細々と、1日1話投稿出来れば良いかな…と。二次使用などはご相談下さい。

二十三夜目『おかしな申し送り』

これはTさんが三重県K市で体験した話です。

Tさんは少し前、老人ホームで勤務をしていた。老人ホームなので夜勤が定期的にあるのだが、夜勤中は何かと心霊現象に遭遇した。それはTさんだけでなく他のスタッフも夜勤中は幾度となく心霊現象を目撃したという話が後を絶たなかった。
その中でも特に面白いのが、同じ場所で同じ時間帯に別々のスタッフがそれぞれ全く同じ心霊現象に出くわしたということ。

そのフロアは認知症の入所者がいるところで、入所者の数が少ないので夜勤は1人ですることになっていた。フロアには詰所の奥に小さな休憩所があり、仕事が一段落して休憩していると、その場所でなぜが夜の11時ごろに換気扇から男性と思われるうめき声が聞こえてくるそうだ。
天井にある換気扇のため、もしかすると上階の入所者が実際に呻いたのではという意見もあったが、そのフロアは最上階だったので上階は存在しないのだ。

「なんか変な声聞いちゃったのよ…」

失礼な言い方になるが、あまり他のスタッフから好かれていない、ベテランの女性スタッフが声を聞いたと言い始めた。最初はまたどうせ嘘をついているのだろうと思っていたものの、その後別の若手女性スタッフや、別の中堅女性スタッフがほぼ夜11時前後に休憩室の換気扇から男性のうめき声を聞いたと報告が上がった。
それ以外にも、その老人ホームには複数の心霊現象の目撃情報があったのだが、同じ現象を複数の人間が報告したのはその件だけだったので、認知症のフロアに異動になるスタッフに対して、「夜の11時に休憩室で聞こえる声は気にしない事」という、なんともおかしな申し送りが恒例となった。